うつ病は、犬にも起こる病気なのでしょうか。
研究者によって、意見が分かれているようですが、犬にもうつ病はあると言われています。
そこで今回は、犬のうつ病について考えてみたいと思います。
犬もうつ病になるの?
うつ病は、言葉を持つ人間でさえも病院で症状を話し、やっと診断される心の病気です。
しかし、言葉を持たない犬が、明らかにいつもと様子が違う様子を見せることがあるのも事実です。
世界中の動物保護シェルターでは、飼い主に捨てられたと理解した犬たちは食べ物を一切受け付けなくなる子もいるといいます。
それほど、犬は飼い主を心の底から信頼しているのです。
犬のうつ病の症状
犬がうつ病になったら、どんな症状がでるのでしょうか。
様々な症状がありますので、愛犬がこのような状態に陥っていないか、改めて確認してみて下さい。
犬のうつ病の主な症状
- いつもより元気がない
- 食欲がない又は過食する
- 睡眠不足または過眠
- いつもはよく動いているのに、動きが普段より極端に少ない
- 人の来ない部屋の隅にばかり行く
- 今まで大好きだった遊びに誘っても興味を示さない
- 名前を読んでも反応しない
- 過剰な抜け毛
- クンクンと鳴き続ける
- 飼い主を避ける
- 玄関チャイムが鳴ったり人が来ても興味も示さない
- いつもはきちんと出来るのに家の中で粗相をする
- 家の中のものをやたらと齧る
- 攻撃的になる
- 自分の手をしきりに舐めたり噛んだりする
などの症状がでます。
この中でも「飼い主さんを避ける」は最も重大なうつ病のサインです。
しかし、このような症状が出た場合、身体的な病気の可能性もありますので、まず、動物病院を受診して下さい。
いつもと違うと飼い主さんが思うときは、必ず愛犬に異変のあるときです。
犬のうつ病の原因
犬がうつ病になる原因はどんなものがあるのでしょうか。
犬のうつ病の主な原因
- 飼い主の家庭の雰囲気が悪い
- いつも飼い主の機嫌が悪い
- 新しい家族が増えた(飼い主に赤ちゃんが生まれた・新しく子犬が迎え入れたなど)
- 家族が減った(同居犬の死や飼い主の誰かが独立するなど)
- 引っ越しをした
他にも様々な原因が考えられていますが、犬は飼い主さんの気持ちや態度を敏感に察知すると言われています。
そのため、家庭内の雰囲気が悪かったり、飼い主さんに今までのように構ってもらえなくなると、犬は大きなストレスを感じるようです。
犬は物事を習慣化する動物なので、環境の変化にとても敏感なのです。
犬のうつ病の予防
うつ病の予防方法についてご紹介します。
犬のうつ病の主な予防方法
- 一人に慣れさせる
子犬期に構いすぎず、ひとりでいることにも多少慣れさせましょう。
ときどきは半日ほど1人きりで過ごさせることや段階的に1人になる時間を増やすことで、1人でいることに慣れるようにします。 - コミュニケーションを大切に
飼い主さんが愛犬に声掛けを怠らない、スキンシップを行うなど意識的に行います。 - 飼い主さん自身が気持ちを穏やかに
飼い主さんがリラックスしていると愛犬も安心して生活できます。 - お留守番中の寂しさを軽減する工夫をする
お留守番中にCDなどで音楽を流しておいたり、TVをつけておくなどします。 - 愛犬にとって快適な温度を保つ
エアコンなどで室内の温度を快適に保つことが大切です。 - 留守番前に散歩に連れて行く
お留守番中には寝て待っていると犬はストレスを感じません。
そのため、お留守番前にはお散歩に連れて行ってエネルギーを発散させてあげます。
子犬期に構いすぎて、成犬になったら子犬のときのように構ってもらえなくなると、犬はストレスを感じます。
毎日、必ず愛犬の名前を呼びスキンシップを持ちましょう。
飼い主さんも、日々の生活の中で嫌なことや辛いこともあると思いますが、その気持が愛犬に伝わるようです。
飼い主さんも、どうしても不機嫌になってしまう日もあると思いますが、出来るだけ心穏やかに愛犬に接してあげて下さい。
犬のうつ病の改善方法
愛犬がうつ病になってしまったときの改善方法です。
犬は常に飼い主さんとの関係を大切に思っているので、全ては飼い主さん次第なのです。
犬のうつ病の主な改善方法
- 愛犬と過ごす時間を増やす
愛犬の好きな遊びやアジリティトレーニングを行う、ドッグランに連れて行くなどしてみましょう。 - 新しく犬を迎えることを検討する
同居犬が突然亡くなった場合にうつ病になったのであれば、新しく犬をお家に迎えることを検討します。 - ペットシッターや犬の幼稚園・保育園を利用する
長時間お留守番をさせてしまうときは、ペットシッターをお願いします。 - 愛犬を褒める
愛犬が少しづつ回復の兆しを見せ始めたらたくさん褒めてあげます。 - 変わらない毎日を送る
うつ病であっても、散歩や遊び、食事の回数などは今まで通りにしましょう。
他にも愛犬のもともとの性格や嗜好に合わせて、飼い主さんが改善すべきと考えられたことを積極的に実行して下さい。
しかし、うつ病になったからと言って、突然普段の生活を変えるのはよくありません。
犬は、飼い主さんとのコミュニケーション不足が最も大きなストレスとなりますので、そこに配慮して接することが、愛犬のうつ病改善に最も役立つものとなります。
犬のうつ病 最後に
いつもはとても元気で明るい愛犬が、飼い主さんが家にいても近寄っても来なかったり、大好きなおやつに見向きもしなくなったときは要注意です。
野生の時代の犬は群れで暮らしていました。
犬は感受性が強く、家族をとても大切に思い、信頼しています。
そのため、ひとりぼっちにされると、とても寂しく不安に感じます。
上記の改善方法をとっても、愛犬の様子がやはりいつもと違うと感じたら、すぐに動物病院を受診して下さい。
体調に異変がある場合やうつ病が重症化している場合があります。
大切な家族である犬の気持ちをいつも感じてあげてください。
愛犬たちは、いつも私たち飼い主の気持ちを一番に感じてくれています。