わんこ図鑑ー山陰柴犬

山陰柴犬という日本犬がいるのをご存知でしょうか?
山陰地方に昔から根付く柴犬の一種です。
柴犬は、縄文柴犬、美濃柴犬、川上犬、一般的に「柴犬」とされる信州柴犬、山陰柴犬の5種類です。
山陰柴犬は、何度か絶滅の危機にさらされた犬種ですが、関係者の尽力により今では少しづつ頭数も増えてきています。

山陰柴犬の歴史

山陰柴犬は、山陰地方に昔から根付く地柴の一種で、韓国の珍島犬・済州犬に近いと言われています。
そのため、一般的な柴犬とは異なるルーツを持つ犬種です。
さらに最近の研究で四国犬に近いということがわかってきています。

山陰柴犬は、もともと2種類の犬種でした。因幡犬石州犬です。
しかし、第二次世界大戦時の食料の不足や飼い犬献上(毛皮を防寒具として使用するため)などとともに、伝染病の流行が重なり、絶滅寸前となりました。

しかし、古くからの血統を絶やすことのないように、保存会の方々の尽力により生き残った因幡犬に石州犬を交配させ、繁殖させました。
そのため、この2種類の特徴はなくなってしまいましたが、山陰柴犬として生き残ることに成功しました。

それでも、今も頭数としては少なく、全国で約450頭ほどしか存在していないと言われています。
現在、山陰柴犬の保存につとめられているのは、山陰柴犬育成会という団体で、血統やスタンダードなど、山陰柴犬の保存に尽力されています。
譲渡会も行われていますが、譲渡の条件はとても厳しいものであると言われています。

全国に約450頭しか存在しない犬種であれば、譲渡の審査も厳しくなって当然ですね。
これからも大切に育成され、頭数が増えていくことを期待しています。

山陰柴犬の特徴

山陰柴犬の体高は、オスが40cmメスが37cmです。
体重は、オスが7kg~13kgメスが7kg~9kgの小型犬です。
通常の柴犬より、スリムな体型で、足が長く、顔はキツネ顔であると言われています。

耳は小さく頭の上にあり、前を向いています。
また、耳は顔の幅から出ることはありません。
そこが通常の柴犬とは異なるところですね。
尾は、差尾鎌尾巻尾と個体差があります。

アナグマ猟で活躍した犬種であるため、小さな穴にも入れるように血統的に、スリムな体型をしているのでしょう。
また、犬には珍しく、野菜好きであることも山陰柴犬の特徴であり、スリムな体型維持が可能なのではないでしょうか。

山陰柴犬の毛色

山陰柴犬の毛色は、赤のみです。
しかし、赤をベースにしたバリエーションも多く、赤に白が多く混じったものや黒が少し入ったものもあります。
毛質は、スムースコートです。
換毛期には、まるで羊のようになります。
冬と夏とでは、見た目に大きな変化があるのも、山陰柴犬の毛質の特徴です。

山陰柴犬の人気

山陰柴犬は頭数も少なく、希少な犬種であるため、存在をご存じない方も多いと思います。
また、山陰柴犬の譲渡には厳しい条件があります。
繁殖に関しては、山陰柴犬育成会でアドバイスを頂けるようです。
山陰柴犬をお家に迎えたいとご希望の方は山陰柴犬育成会に直接ご連絡されてみてはいかがでしょうか。

山陰柴犬は、ペットショップはもちろんブリーダーからも購入することは出来ません。

また、山陰柴犬は、一度に生まれる子犬の数が他の犬種に比べて少なく、1回の出産で2~3頭と言われています。
1年に2度ある発情期も、必ず2回来るとは限らないことも、山陰柴犬の頭数が増えにくい原因でしょう。

山陰柴犬の性質

山陰柴犬の性格は、飼い主に対して従順忠実であり、優しく落ち着きがあります。
また、忍耐強い面もあり、無駄吠えもしないので、とても飼育しやすい犬種であると思われます。
はしゃいだり、大きな愛情表現はしませんが、うれしいときは少ししっぽを振ったりするなど、この慎ましさは、まさに日本の地犬であると言えるのではないでしょうか。

山陰柴犬は、飼い主さんがしっかりとコミュニケーションを取れば、それに応えてくれる愛情深い犬種です。そして、スリムな体型通り、運動量が多く、活発です。

山陰柴犬の子犬の譲渡を希望される場合は、まず、山陰柴犬育成会に連絡をお願いします。

譲渡条件としては、避妊去勢手術を受けさせることが前提ではないことや室外飼育ができることなど、山陰柴犬保存のために必要ないくつかの条件があるようです。

山陰柴犬の健康

山陰柴犬の病気に対する抵抗力は、通常の柴犬よりも高いと言われています。
また、シニア犬になっても、若い犬の頃と外見がほぼ変わらないとのことです。
スリムな体型が、見た目の老いを遠ざけているのかもしれませんね。

山陰柴犬の罹りやすい病気

山陰柴犬が希少な犬種であることから、情報が少ないということもありますが、調べてみましたが罹りやすい病気は特にないとのことです。

絶滅寸前から救われた山陰柴犬を大切に

今も尚、希少な犬種である山陰柴犬
しかし、性質も穏やかで優しく、飼い主にも従順なことから、とても飼育しやすい犬種のようです。
山陰柴犬育成会の方々の努力により、こうして少しづつ頭数も増え、愛好家も多くなっていくのではないでしょうか。

山陰柴犬が大切に飼育され、二度と絶滅の危機にさらされないように、山陰柴犬育成会のみなさんのアドバイスのもと、大切にしていきたいですね。

以上「わんこ図鑑ー山陰柴犬」でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。