ご存知の通り、犬の祖先は狼であると言われています。
そのため、狼と同じように、現在でも犬は人との暮らしの中でも、家族に順位付けをしていると思われている方が多いようです。
しかし、犬と暮らしていると本当に犬は順位付けしているのかどうかな?と、疑問に思うことがありました。
犬との暮らしの中での疑問
私は、生まれた時からつい最近まで、常に家に犬がいました。
自分の赤ちゃんの頃の写真を見ても必ずどこかに犬が写っています。
兄は犬好きではありますが、いつも愛犬たちを乱暴に扱うので、ときどき吠えられていました。
すると、母が「この子たちは、お兄ちゃんのことを自分より下だと思っているのかもしれないわね」と、ため息をついていました。
でも、兄が呼ぶと愛犬たちはすぐに足元まで走って行きますし、お座り・お手もちゃんとします。
ちょっと面倒そうなしぐさではありましたが。
そんなとき、いつも私が感じていたのは、「犬もみんな家族なんだから、上とか下とか思ってないんじゃないのかな?」ということ。
確かに、愛犬たちは父と母の言うことは絶対に聞きますし、甘えてくっついたり。
きっと、上下関係というよりは、両親のことが「好き」なんだろうと思っていました。
ラフコリーやシェルティたちは兄が散歩に連れて行くので、兄の言うことをよく聞いていて、ポメラニアンたちは、すぐ抱っこしてくれる母や私に懐いていたように思います。
犬の祖先だと言われている狼の習性
通常、狼は群れで生活しています。
ほとんどは5~6頭で1つの群れを作っており、数十頭という大きな群れもあると言われています。
その群れを統率するリーダーのオスとメスがいて、その子どもたちが次の位置にいて、血の繋がりのない個体が混じることもあります。
しかし、狼も上下関係というよりは、群れで暮らすためには統率するリーダーが必要であること、さらにリーダーを「頼りになる存在」としていたようです。
そのリーダーについていれば、餌に困らないし得をするという損得勘定の関係であると言われています。
それなら、犬も人間と暮らすことは、餌がもらえる損得の気持ちなのでしょうか。
それだけだとしたら、ちょっと寂しい気持ちになりますね…。
家族と犬の関係性
それでは、犬は、私たち人間の家族のことをどのような存在だと思っているのでしょうか。
愛犬と飼い主との関係性にもよりますが、犬は人間に対して「好き」か「嫌い」かで対応を変えるようです。
例えば、ご飯をくれるお母さんのことが好き。
散歩に連れて行ってくれるお兄ちゃんが好き。
いつも抱っこしてくれるお姉ちゃんが好き。
そんな風に感じて人と接していると言われています。
また、人間の家族は、愛犬にとって良いことや楽しいことを「分担してやってくれる人」という形で、役割分担を決めていると、ムツゴロウ先生こと畑正憲さんが、以前TVでおっしゃっていたのを思い出します。
愛犬たちは、そういう意味で、家族みんなのことが好きで、特に自分のうれしいことをしてくれる人が「好き」なのだそうです。
食いしん坊の子ならお母さんが一番好き。
お散歩が大好きな子はお兄ちゃんが一番好き。
抱っこされるのが大好きな子はお姉ちゃんが一番好き…ということなんでしょうね。
犬にとっての家族の役割 我が家の場合
そういった意味では、我が家の愛犬たちは、母はときどき怒るけど美味しいものを食べさせてくれる人で、兄はちょっと怖いこと(抱っこして振り回したりしてたので)するけど、大好きなお散歩に連れて行ってくれる人、父は優しくていつもこっそりおやつをくれる人だったと思います。
母がしつけ係だったので、愛犬たちは母がご飯をくれる人であること以上に「この人の言うことは絶対聞かなければいけない人」だと思っていたように見えました。
私のことはどう思っていたのでしょうか。
いつも抱っこしてくれる人?
それとも、一緒にベッドで寝かせてくれる人?だったと思います。
ただ、最後に家にいたシェルティは、その頃、両親が大きい病気をしていたこともあって、ご飯もお散歩も病院もお風呂も一緒に寝るのも全部私がしていたので、たぶん、私は「頼りになる人」だったと思います。
家族以外の人にはあまり触られるのが好きではない子でしたが、家族にはとても従順な優しい子でした。
足の悪い父が、歩くのが遅くなるとそれに合わせて歩いたり、私が気づかず先に行こうとすると立ち止まってアイコンタクトをとって、父が追いついていないことを教えてくれました。
犬が家族を大切に思う気持ちは、人間以上なのかもしれません。
最後に 犬は家族を順位付けてしてはいない
『犬の家族の順位づけは本当?│犬との暮らしの中で疑問に思っていたこと』についてご紹介しました。
犬と暮らしている友人や本でも調べてみたのですが、最近では、犬が家族を順位付けすることはないということが、わかってきているようです。
子供の頃から疑問に思っていたことが解消されました。
私もいつか保護犬を家に迎えられる日が来たら、その子と二人家族になります。
私のことを頼りにしてくれるといいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。