小さくて真っ白な光沢のある被毛の超小型犬マルチーズ。
黒いくりくりした目の可愛らしさも、愛好家が多い人気の秘密です。
足が細く、とても華奢なので抱っこしやすい体型です。
平均的な体高は、20〜25cm、体重は2.5〜3.2kgが理想とされています。
それでは、そんなマルチーズについて詳しくご紹介ていきましょう。
マルチーズの歴史
マルチーズは、紀元前6000年にはすでに存在していたと言われる歴史の古い犬種です。
ルーツは、紀元前1500年頃フェニキア人がマルタ島に持ち込んだスピッツ系の犬であると言われています。
紀元前300年頃には、ギリシャの陶器などにもマルチーズらしき犬が描かれているという記録があります。
14世紀初めには、見た目の可愛らしさから、上流階級の女性たちから「抱き犬」として愛され、特にヘンリー8世はマルチーズを溺愛していたとのことです。
また、ヴィクトリア女王にも愛されたという記録もあり、そのころから、愛玩犬としてヨーロッパにおいて絶大な人気を誇っていました。
15世紀には、フランスに渡り、大流行した犬種でもあります。
米国においては、1877年頃まで「マルチーズ・ライオン・ドッグ」と呼ばれていたようですが、それは、アジア系の人々が、マルチーズの被毛をライオンのようにカットしていたからだとのことです。
日本で人気を博し初めたのは、1970年代に入ってからのことです。
マルチーズの毛色
マルチーズの毛色は、純白がほとんどです。
たまに黄色みがかっていたり、少し茶色みがかった子も生まれることがありますが、日本で生まれたマルチーズはほとんどが白です。
また、マルチーズはシングルコートで、柔らかい被毛はもつれることが多く、日常のグルーミングも必要です。
被毛は、伸び続けるタイプの犬種であるため、トリミングも必要です。
スタンダードは床にたれるほどの長さになりますが、通常の家庭犬としては、刈り込んだサマーカットが多く見られます。
スタンダードの場合は、被毛を紙とゴムで束ねるなどしなければ、キレたり汚れたりすることが多くなりますので、手入れに少し手がかかるようです。
また、マルチーズは、シングルコートであるため、換毛期がなく、抜け毛は少ないようです。
マルチーズの人気
マルチーズは、1968年~1984年の16年間、人気犬種ランキングでトップの座を譲りませんでした。
その人気が、白い犬を好む日本では、その後、スピッツの人気にもつながっていったと言われています。
マルチーズは、今でも人気の高い犬種で、常に人気犬種10位以内に入っています。
マルチーズの性質
マルチーズの性格は、明るく活発です。
甘えん坊で、抱っこされるのが大好きです。
マルチーズは何事においても「ちょうどよい」と言われています。
警戒心もありますが来客などに吠え続けるわけではなく、快活ですが落ち着きもあり、賢く好奇心もありますがいたずらに走るわけでもありません。
コントロールしやすく、従順です。
マルチーズのこのような性格から、初めて犬を家族の一員として迎える方には、最適の犬種であると言えます。
子供にも優しく接することが出来ます。
家族には従順ですが、家族以外の人には警戒心を見せるので、小さな番犬としても活躍してくれます。
マルチーズは、白い被毛を清潔に保つために、室内から外へ出さない傾向がありますが、社会化期には、出来るだけ外に出し、他の犬や家族以外の人ともふれあわせ、土や草むらなどにも出してあげるようにしましょう。
マルチーズの健康
マルチーズは、純白の被毛と黒い目、鼻、唇をしています。
爪は白の場合と黒の場合があり、子犬のときは白かったけれど、成長とともに黒くなってくることもあります。
それは、特に心配する必要はないとのことです。
鼻は黒がほとんどですが、肉色の場合もあります。
そして、マルチーズは、小型犬の中でも華奢で足が細いので、高いところから飛び降りたりするときや、子供と遊ばせるときやお年寄りが抱っこするときなどにも、骨折や脱臼に注意が必要です。
マルチーズは、温暖な気候のマルタ島で生まれた犬なので、日本の気候的には、暑がりでもあり寒がりでもあるので、寒い時期のお散歩には服を着せるとよいでしょう。
おしゃれで着せると言うよりは、防寒の意味で服を着せる必要があるようです。
そういった意味からも、マルチーズは室内犬として飼育しましょう。
マルチーズ寿命
マルチーズの寿命は12〜15歳程度と言われてます。
小型犬の中では、長い方ではないかもしれませんが、適正な食事と運動、ストレスを与えないようにすれば、もっと長く生活をともにすることが出来るでしょう。
マルチーズの罹りやすい病気
マルチーズは、耳が垂れていることから、外耳炎などの予防のために、耳のお手入れも必要です。
定期的に行うようにしましょう。
白い被毛であるために、目の周りが涙やけする場合が多いのでこまめに拭いてあげることも大切です。
マルチーズは、生まれつきの疾患を持っている場合が多いようです。
上でも書きましたが、「流涙症」や「アトピー性皮膚炎」、「マラセチア皮膚炎」など、皮膚炎が多く見られるのも特徴です。
同じところをなめていたり、気にしているような場合は出来るだけ早く確認し、治療を始めることをおすすめします。
しかし、最も気をつけなければいけない病気は、「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓の病気です。
9歳前後から起こることが多いため、定期的に健康診断を受けるようにして、早期発見・早期治療を受けてください。投薬治療で進行を抑えることが可能です。
真っ白な明るい天使・マルチーズ
「わんこ図鑑ーマルチーズ」についてご紹介してきました。
マルチーズは、色んな意味でほどよい性格で、小さな体と愛らしいお顔のとてもコントロールしやすい犬種です。
心臓の病気に罹りやすいことは心配ですが、もちろん個体差もあります。
定期的な健康診断とたくさんの愛情を注いであげることで、とても可愛く従順な家族の一員となってくれるでしょう。
抱っこされることが好きなので、孤独で寂しい思いをさせないようにしてあげてくださいね。
以下の記事でポメラニアンについてご紹介しています。
よろしければご覧になってみてくださいね。
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