家庭犬としては勿論、盲導犬としても大活躍中のラブラドール・レトリバー。
ラブラドール・レトリバーは、泳ぐことが得意で、盲導犬以外にも警察犬、介助犬など使役犬としても、世界各国で愛されている人気犬種です。
ラブラドール・レトリバーの歴史
ラブラドール・レトリバーの原産地は、カナダのニューファンドランド島です。
16世紀にニューファンドランド島に入植してきた人々が飼育していた犬種が、セント・ジョンズ・レトリバーです。
セント・ジョンズ・レトリバーの祖先は、イングランド、アイルランド、ポルトガルで飼育されていたミックス犬ではないかといわれています。
体の比較的小さな短毛のセント・ジョンズ・レトリバーが、漁業に使われ、魚網を引いたり、網からこぼれた魚を回収する作業に使われていたそうです。
セント・ジョンズ・レトリバーは、忠誠心に富み、とても重宝されていたようです。
このセント・ジョンズ・レトリバーが、ラブラドール・レトリバーの祖先犬です。
19世紀初めに、このセント・ジョンズ・レトリバーが、イングランドに持ち込まれ、上流階級の間で水鳥猟に適した犬種として、高い評価を得ることになります。
しかし、その後、羊畜産保護政策と狂犬病防止のため、犬が輸入制限され、セント・ジョンズ・レトリバーは徐々に姿を消していきました。
現在のラブラドール・レトリバーの血統には多くの貴族が貢献しており、その作出と血統の確立が積極的になされたようです。
1880年代に、バクルー公家の繁殖計画に使われたエイヴォンとネッドという犬が、現在のラブラドール・レトリバーの祖先であると言われています。
ラブラドール・レトリバーの特徴
ラブラドール・レトリバーは、大型犬です。
体高は56~62cmで、体重は30~36㎏前後で、瞳の色は、ヘイゼル(ハシバミ色)とブラウンです。
耳はたれ耳です。
ラブラドール・レトリバーの毛色
ラブラドール・レトリーバーの毛色についてご紹介します。
主にブラック、イエロー(クリーム・アイボリー・フォックスレッドを含む)、チョコレートの3色です。
子犬は、同じ母犬から生まれても、異なる色が生まれることがあります。
チョコレートは、他の色よりやや希少な色です。
ラブラドール・レトリバーの人気
ラブラドール・レトリバーは、世界的に人気のある犬種で、飼育犬数が最も多いといわれています。
特に、オーストラリア、アメリカ、イギリス、カナダなどでは、飼育頭数が1位となっています。
さらに、ラブラドール・レトリバーは、盲導犬、介助犬など使役犬としては、他の犬種より何倍も多く用いられています。
ロシアのプーチン大統領やアメリカのビル・クリントン元大統領の愛犬としても知られています。
また、人気TV番組「ペット大集合!ポチたま」の初代旅犬・まさお君も、ラブラドール・レトリバーです。
愛嬌があって、食いしん坊なまさお君、可愛かったですね。
ラブラドール・レトリバーの性質
ラブラドール・レトリバーの性質は、穏やかで順応性が高く、攻撃性が少ない犬種です。
また、服従性と自分で状況を判断できる部分の両方を併せ持っていると言われています。
ラブラドール・レトリバーは、家族には愛情深く、他の人や動物にも攻撃性をみせることがほとんどありません。
使役犬としては、とても優秀な犬種ですが、番犬としては、優しくフレンドリーな性格のため、あまり向いていないようです。
知的レベルが高く、運動能力も高い、とても優秀な犬種です。
ラブラドール・レトリバーの健康
ラブラドール・レトリバーの健康面について、ご紹介していきます。
ラブラドール・レトリバーの寿命
ラブラドール・レトリバーの寿命は、10~14歳です。
大型犬としては、長寿な方といえるでしょう。
毛色がチョコレート色の子は、少し寿命が短めであると言われていますが、平均は上記のとおりです。
特に、ラブラドール・レトリバーは、家族に対する愛情が深いため、飼い主さんからの愛情が感じられなくなると大きなストレスを感じます。
そのため、日頃から、常にスキンシップを行い、定期的な健康診断を受けさせることで、より長生きさせてあげることが出来ます。
ラブラドール・レトリバーの罹りやすい病気
ラブラドール・レトリバーの罹りやすい病気の代表的なもの
- 股関節形成不全
股関節形成不全は、先天的な病気であることが多く、ラブラドール・レトリバーは、特に罹りやすいと言われています。
そのため、成犬になったら、エックス線検査を受け、早期発見早期治療を行うことが大切です。 - 皮膚病
ラブラドール・レトリバーは、かつて水の中で仕事をしていた犬です。
そのため、被毛が水をはじくように、脂っぽい毛質です。
手の指の間には水かきのようなものがあり、そこが蒸れやすく、マラセチア性皮膚炎などに罹りやすいと言われています。
ラブラドール・レトリバーは、運動の大好きな犬種であるため、散歩は最低でも1日2回、各1時間以上必要です。
休日にはドッグランで思い切り走らせてあげるのも良いでしょう。
ボール遊びなど、何かを探して持ってくる遊びをとても好みます。
頭のいい犬種なので、その知的な部分を使った遊びをさせてあげることが、ストレスの発散になります。
ラブラドール・レトリバー 最後に
盲導犬など働く犬として代表的な犬種であるラブラドール・レトリバー。
もちろん、家庭犬としてもとても人気があります。
知的で優しく穏やかな性質の大型犬として、これからも、世界中で愛され続ける人気犬種としての地位は、不動のものといえるでしょう。