わんこ図鑑ーバーニーズ・マウンテン・ドッグ

優しく穏やかな超大型犬のバーニーズ・マウンテン・ドッグ。
温和で家族を愛する、子供にも優しい犬種です。
通称バーニーズ。平均的な体型は、体高58～70cm、体重32～54kgとされています。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの歴史

約2000年以上前、マスティフ犬とスイス山岳部に生息する犬の交配から生まれた犬とされています。
スイス・アルプスの極寒の中、番犬、羊や牛を追う牧畜犬、また、荷車を引く犬として活躍していました。
大きく力が強く、温和な性格で従順なので、とても重宝されていました。

しかし、自動車の発明により、少しづつバーニーズ・マウンテン・ドッグの活躍の場が奪われ、第一次世界大戦頃には、絶滅寸前まで数が減ったようです。
スイスの山岳部で車では入れない細い道などで、ほそぼそと仕事をしていたバーニーズが発見され、絶滅を憂慮したスイスの愛好家たちの尽力により、1892年に犬種の保存のため繁殖されることとなりました。

1902年～1907年頃には、繁殖と保存活動が本格的に始動しました。
この頃、バーニーズは、ベルナー・ゼネン・フントと呼称されていましたが、これを英語訳し、バーニーズ・マウンテン・ドッグとなりました。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの特徴

次にバーニーズ・マウンテン・ドッグの毛色や人気、性質について詳しくご紹介します。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの毛色

バーニーズ・マウンテン・ドッグの毛色は、黒・白・茶のトライカラーのみです。
被毛は直毛か少しカールがかかっています。耳は垂れて、大きいです。体の大きさに比べ、よく動き、敏捷です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの人気

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、大型犬人気ランキングでは、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーにつぎ、第3位です。
穏やかで従順で人間を慕う性質であることが人気の秘密のようですね。
自分より小さいものや子供に対しても、とても優しい性格が家族の一員として迎えるのに向いている大型犬種と言えるでしょう。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの性質

バーニーズ・マウンテン・ドッグの性格は、温和で優しく豊かな感受性を持っています。
しかし、家族以外にはやや警戒心が強く人見知りな部分もあります。
飼い主とのふれあいを好み、寂しがり屋で、人間を慕います。
我慢強い性格で、自分の頭で物事を考え行動することが出来ます。
人間の感情を捉えることも得意です。

元来、バーニーズは、優秀な番犬としての仕事をしていたので、現在でも愛玩犬として愛されると共に番犬としても重宝されるでしょう。
子犬の頃はやんちゃで動き回っていますが、成犬になると落ち着いて来ます。
これは、大人になると、使役犬として仕事をするためのエネルギーを蓄えるという体の仕組みになっているためです。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの健康

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、スイス原産の犬種であることから、高温多湿を嫌います。
ある程度の温度には生活とともに慣れていきますが、夏場は熱中症対策のため、室内でクーラーの効いた部屋で過ごさせてあげましょう。
遺伝的に股関節が弱い部分があるので、フローリングにはカーペットを敷いて対応することが望ましいようです。

また、常に飼い主とのふれあいを求めるので、屋外で孤独にさせるのはストレスを与えることになります。
そのため、室内犬として飼育することが望ましいようです。

もともと使役犬であるため、室内犬の愛玩犬として飼育すると、成犬になるにつれてエネルギーがあり余る怖れがあります。
そのため、相当の運動量が必要となります。
散歩は1日2回、出来るだけ1時間半～2時間はとるようにして下さい。

また、体重が40㎏を超えることもあるので、散歩のときに引きづられる怖れがあります。
そのため、子犬の頃から、適切なしつけを行うことが重要となります。
しつけの飲み込みも早く、従順な性質であるため、しつけもそれほど難しくはありません。

春と秋の2度換毛期があるため、抜け毛は大量になります。
換毛期には毎日のブラッシングが必要です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの寿命

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、大型犬の中でも短命で6～8歳とされています。
成長も早いので、寿命も短くなるようです。
しかし、最適な飼育環境や運動量や食事に気をつければ、11歳～14歳までの長寿の子もいます。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの罹りやすい病気

バーニーズは、一度は絶滅の危機を迎えたこともあるため、近親交配を免れなかった犬種です。
そのため、遺伝的な病気が出やすいようです。悪性腫瘍が多く見られ、スイスではバーニーズの死亡原因の4割が悪性腫瘍であるとされています。
そのため、定期的な健康診断は必須です。

その他、罹りやすい病気としては、股関節形成不全、胃捻転、腸捻転などがあります。
防止策として、股関節形成不全については、肥満にならないように運動量・食事量を適切にすること。
胃捻転・腸捻転については、食事を一度に大量に与えず、2回以上に分けて与えることが大切です。